舞鶴高校、上野丘高校でさえも「自称進学校」に該当するのか?

「自称進学校」とは、私も近年、聞いた言葉です。この言葉は、地方県立高校の卒業生が、旧帝大等の難関大学を突破して入学した後に、首都圏の中高一貫校の出身者の進学指導の実態を知り、自分たちの受けてきた進学指導とあまりにも対照的であったことにショックを受けて生まれた言葉でないかと密かに推測しています。

 

首都圏の私立中高一貫校と県立高校の進学指導の根本的な方針の違いについて以下5点から述べてみます。

 

1  進学指導

首都圏の私立中高一貫校の進路指導では、学校の先生が、具体的に志望校をあげて勧めたりすることはまずありません。全て、生徒の自主性に任されています。地方の県立高校では、先生が絶大なる権力を持ち、進研模試の偏差値を基準に受験校の決定に大きく関与します。

 

2   日々の課題や宿題の量

首都圏の私立中高一貫校では、日々の宿題や課題は、高校3年にもなるとほとんど出ません。地方の県立高校の中には、大量の課題や宿題が高校3年になっても出される学校が存在します。生徒の志望校によって、勉強法は、大きく変わります。例えば、大分大学九州大学では、入試科目数も難度も全く異なります。それなのに、画一的な大量な宿題や課題は、個々の生徒の志望校への効率的な自主学習への障害になります。

 

3    国公立大学至上主義

地方県立高校の場合、国公立大学をメインに進路指導します。難関私立大学であっても積極的に進路指導することは、ほとんどありません。首都圏の中高一貫校の生徒は、将来のキャリア形成の観点から、国公立大学に限定せずに、マーチや早慶も、含め選択肢を広く捉えています。

 

4    進研模試等の偏差値至上主義

進研模試の偏差値は、確かに客観的データです。しかし、個々の大学によって、二次試験の科目数や入試の傾向が異なりますので、偏差値の値のみで判断するのは、危険です。例えば、偏差値が上がれば、九工大工学部、下がれば大分大理工学部というわけにはいきません。九工大工学部は、理科2教科、大分大学理工学部は、理科1教科です。数学の二次試験も大分大学は、4題のうち3題は、数学ⅡBですが、九工大工学部は、数学Ⅲが多いです。志望大学を選ぶのに確かに進研模試の偏差値は、目安にはなりますが、絶対なものではありません。首都圏の首都圏の中高一貫校では、志望大学の決定は、模試の偏差値よりも生徒自身の判断に任せられています。

 

5   とことん現役主義

地方県立高校では、「国公立大学に現役」が進路指導の全てです。進研模試にてD判定の大学はなかなか受けさせてもらえないでしょう。首都圏の中高一貫校では、難関大学を狙うのであれば、一浪のリスクは、選択肢の1つという意識が、一般化してきます。将来のキャリア形成に際して、一浪しても難関大学合格を勝ち取ろうという価値観が広く醸成されています。地方県立高校の進路指導では、旧帝大を狙うと言っても、浪人という選択時は、なかなか認められないのではないでしょうか?

 

地方の県立高校と首都圏の中高一貫校ては、大学の進路指導の考え方が大きく異なります。県内のトップクラスの進学校である舞鶴高校や上野丘高校でさえも、ある程度、あてはまることはあるのではないかと思います。

 

九州大学等の旧帝大早慶や国立医学部を狙うためには、高校の先生進路指導に全てを委ねるのではなくて、生徒や保護者が、正しい情報を入手して、禍根を残さないように自ら判断をすべきかと思います。

 

完全個人指導塾  OEC     下垣  明

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