文武両道

「文武両道」は、中高生にとって、動かざる目指す教育の太い幹のように思っている保護者、そして生徒のみなさんも多いのではないかと思う。

 

「文武両道」とは、昔、剣術と学問の両立を示していたが、今は、この「武」が「部活」にすり替えられている。運動の「部活」には、生徒のみならず、保護者も教員も熱狂する。

 

保護者にとって、我が子が大きな大会で、目の前で活躍する姿をみるのは、誇らしいであろう。

「部活」は、毎日行われ、時には、土日お行われる。

 

特に「高校生活」のかなりのウエイトを占めることになる。

 

一方で、都市部の私立中高一貫校は、中学課程を2年で終わらせて高校課程を4年かける。極めて合理的な方法である。

同じ能力の子どもであれば、大学入学試験は、私立の中高一貫校には、公立高校の生徒はどうしても叶わない。

 

しかも、こんなハンディがあるのに、何しろ、公立高校の生徒は、「部活」に大きな比重を占める為に、絶対的な学習時間の不足に陥り、私立の中高一貫校の生徒には、全く叶わない。

 

都会の私立の中高一貫校の生徒に向こうをはって、それを打ち破ろうとする子どもは、確かにいるが、「部活」の両立も求められるので、必然的に地頭のよいごく少数の子どもに限られる。

このごく少数の「部活」と受験を両立して、成功した子どもは、

「文武両道」として称えられる。

 

仮に「部活」をせずに、受験勉強のみにあけくれて、第一級の大学へ私立の中高一貫の子どもと向こうをはって頑張って、成果を残しても、あまりほめられない。寧ろ、変な人になるのではないか?

 

私は、本当に好きならば、「部活」もいいと思う。

しかし、高校を卒業した後の人生の方が、遙かに長いので、「部活」をせずに、受験勉強に邁進して、九州大学京都大学東京大学を目指す選択肢も堂々と市民権を県立学校の生徒も与えられてもいいように思う。

 

東大の文型は、特に首都圏の生徒も占められていて、地方の県立高校からの入学は極めて難しい。

このあたりの事情は、いわゆる「教育格差」そのものであると憂慮している。