東京の文教地区、中野、杉並、吉祥寺あたりの公立小学校から私立の中高一貫校を目指す生徒は、クラスの約三分の二に達すると聞きます。何故か?その主たる理由を推測してみます。
1 都立高校受験には、大分県と同様に内申が必要になります。
内申が良い子どもは、ある意味、小さな大人の世界を生き
抜く知恵のある子どもです。東京でも定期テストで90点を
とっても先生の印象が悪ければ「3」、70点でも先生の印象
がよければ、「5」。
学びの評価は教員の主観によることから、このようなある
意味「理不尽」な状況がうまれています。
社会にでれば、似たようなことが待っています。
しかし、保護者の多くは理不尽な評価を嫌うのです。
2 中高一貫のプログラムの優れた効率性
中高6年を俯瞰してみれば、中学の三年間の学習量と高校
三年間の学習量は俄然、質、量ともに異なります。高校が、
全て、中学校時代の勉強の質も量も圧倒します。
ですから、中学3年間で公立が学ぶのを2年間に圧縮し、
4年間かけて高校課程を学ぶのです。
そして高校3年は、大学受験に集中するのです。
このようなカリキュラムであれば、圧倒的に大学受験
に有利であり、仮に同じ、能力を持った子どもであれば、
私立の中高一貫校に足元にも及ばない結果になります。
3 特色ある質の高い教育
御三家と言われる開成、武蔵、麻布はどれも個性豊かな学校
です。開成は、質実合憲、麻布は、自由と自己責任、武蔵
は、アカデミックな雰囲気、そして筑波大駒場は、科目横断
的な教養主義。教員はみんな母校のOBであり、ほとんどが
大学院修士課程まで出ていて専門性が極めて高い教員です。
私はこれらの学校の学校説明会や公開授業に参加してきま
した。子どもの潜在的なポテンシャルを大いに成長させる
のに最高の環境でしょう。
これらの私立の中高一貫のデメリッットは何でしょうか?
おそらく、教育環境が恵まれすぎていることでしょう。
そのため、将来大人になった時に理不尽なことに遭遇した
ときに免疫力が弱い傾向にあるのではないか?と思われ
ます。あと、就職戦線で、同じ東大卒で競い合ったときに
東京の中高一貫の出身者よりも、地方の高校の出身者を
選びます。これは人事採用者の暗黙の傾向です。
OCA 個人指導塾 下垣 明
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