「ざ・部活動」 vs. 「大学受験勉強」

.公立高校は、「文武両道」とのスローガンのもと、「部活動」を推奨している学校がほとんどです。特に進学校になればなるほど、「部活動」は盛んになる傾向もあるように思えます。

「文武両道」の「文」は、主要教科の勉強、「武」は、「ざ・部活動」です。私の高校生の頃は、ここまで「部活動」は盛んではありませんでした。そもそも、部活動は、本当に興味のある人のみが、自発的に活動していたように思います。今は、部活動をしていない人はごく少数派のように思います。

 

何故、ここまで部活動は、ここまで盛んになったのでしょうか?今や、決して好きでもないのにやむを得ず何かしらの部に所属しないと奇異な目で周囲にみられると思っている生徒もいるように思われます。

 

部活動をすることで、社会性が磨かれ、協調性や組織で生きていく力が養われると思われているのでしょうか?少々理不尽なことにも耐え抜く忍耐力が養われると思われているのでしょうか?ですから、文化部よりも運動部に属していることの方が、価値があると思われているような気がします。

 

そして、今は、高校の部活動は毎日のように行われて、主要教科を勉強する時間や生徒がほっとする時間や趣味の時間もほとんどが、「ざ部活」に飲み込まれているように思います。

 

とある上野丘の教諭が、次のように誇らしげに言っていました。「東大を出て財務省に入省したキャリア官僚や一流会社の総合職に決まった生徒はみんな活発に運動部で部活動をしていた」

 

まさにこれこそが理想の「文武両道」と言いたかったのでしょう。

私は、確かにキャリア官僚で運動部に在籍していながら東大に現役で合格する人が多いことは知っています。それは、地頭のいい人が、つまり、一般の人が1時間かけて理解することを10分で理解できてしまうような地頭のいい人ならば、確かに「文武両道」は可能でしょう。

 

しかし、一般の生徒は、本当に「文武両道」が可能なのか疑問があります。「部活三昧で高校生活を送り、無競争の私立大学に入学」又は「部活はあまりせずに、受験勉強に力を入れて旧帝大等に入学」のどちらか選択せざるを得ない生徒が多い気がします。私自身ももしも、部活動三昧で高校生活を過ごしたならば、間違いなく、かなり低いレベルの私立大学に進学することになったでしょう。

 

今の就職試験は、エントリーシートが大量にインターネットで送られてくる環境で、実は「大学名」と「SPIテストの点数」で、大きく振るいおとしてしまいます。最終は、「面接」こそが重要な採用活動の要になります。面接では、大学名以外に趣味や部活やボランティアや読書等々、人間性を広く判断することが行われます。ですから、ただ、「旧帝大」に入ることのみが就職活動ではありません。しかし、少しでも評価の高い大学を卒業し合いと、「面接」のリングに上がることすらできないのです。

 

ですから、私は部活動三昧で、受験勉強は、二の次にしてしまう選択をすることは、生徒の一生を考えると凄くおしいなと思ってしまいます。

OEC 完全個人指導塾 下垣 明

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