ある塾講師の「個別指導」についての本音

私は他塾にて、「個別指導」の講師をしたことがあります。

3人ケースでした。90分が一コマでした。3人は机が仕切られているので、中学生と高校生が混じりました。

保護者の中には、「個別指導」と「個人指導」が似たようなものと考えていらっしゃる方もいるかもしれませんが、塾講師の立場からすれば、全く別物です。何点か主要な点を比較してみましょう。

1 一コマ90分といっても3人を同時に教える場合には、30分が目安です。公平になるように1人30分となるように時計をみながらしますが、手のかかる生徒たどうしても多めに時間がさかれます。

 

2 他学年の子供を同時に教えるのは、集中力が削がれます。授業の質を高めるには、子どもの状況をしっかりと見極めて教え方を様々に工夫する必要があります。その為には、子どもと「対話方式」がすぐれていますが、複数の子どもを指導する個別指導では不可能です。一方的にポイントを教え込むような感じになります。

 

3子どもに課題を出すと、個別指導では他の子どもに移ります。その間、子どもが課題に対して、どのような態度で取り組んでいるかその顔の表情や状況が分かりません。実は、課題を出したときに子どもの課題に対する反応をしっかりと把握することが重要であり、それをもとに次の指導の展開を考えていきますが、そのプロセスが全くできません。これは、個人指導でしかできません。

 

4 講師はひとりなので、同時に三人の子どものバラバラの教科内容を指導するのはかなり切り替えが辛く、指導の連続性が保てません。結果的にかなり、授業の質が劣化してしまいます。

 

5 費用の面をみれば、個別指導は、塾としては設定しやすいでしょう。個人指導では、保護者に高額との印象を与えてしまうでしょう。

 

6塾の講師の力量は、「教える」「伝える」というスキルですが、ピンキリです。最高のスーパー講師は学校の教師より遙かに優れて素晴らしい人がいます。しかし、塾講師は学校の教師のように教員免許や採用試験といったものも担保されていません。したがって本当に実力のみの世界になります。集団授業のほうに優れた講師を配置するのは、塾としては、当然の経営上必要なことと思います。個別指導に熱心で優れた先生と出逢えれば、凄く運がいいと思います。

 

 

本塾では、私自身の実経験も踏まえ、「個別指導」ではなくて「個人指導」に拘っています。

 

OEC 個人指導塾 下垣 明

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