上野丘を目指していた中3女子A子さん

W中のA子さんは、現在、中3です。A子さんは、明るくてさわやかな性格でした。よく、昼休みは友達と話して談笑しあっていました。球技のクラブに属し、美人でもあり、男の子にも人気がありました。中学一年のときから、成績もよく、ずっと上野丘を目指していました。最も成績が良かったのは、中学二年のときでした。クラスのだれもがきっと、上野丘にいくものと思っていました。

 

しかし、中学三年生になって周りの生徒も勉強を始めるとA子さんの成績はじりじりと下がり始めました。A子さんのお母様は、中学一年のときから、ずっと上野丘に入れる為に大手塾の 高い月謝も払い続けてきました。しかし、三年の2学期の定期テストでは、中学に入学してから最低の成績をとってしまいました。実力テストや塾の主催のテストも成績は下降する一方でした。お母様や通っている塾の先生からはひたすら、もっと頑張れ、もっと頑張れの嵐でした。しかし、A子さんは、中学一年からずっと頑張ってきたので、もう、精神的にも肉体的にも限界に近づいていました。そのような状況にも拘わらず、お母様や塾の講師からもっと頑張れ、もっと頑張れの怒号の中で、A子さんは、志望校を上野丘から豊府にしたいと、お母様に切願しました。お母様の怒りはすさまじく、一晩中、「一年から頑張ってきたのは無駄だったのか、上野丘以外は、高校でない、貴女が上野丘にいく姿を楽しみにしてここまで生きてきたのに、なんで、そんな馬鹿なことをいうか、

とにかく死ぬ気で、受験勉強をし抜いて、上野丘にいきなさい。二度と他校の名前をだしてはいけない、そんなことを言ったら絶対に許さないわよ」

 

一晩中、お母様に怒鳴られて、A子さんの様子がおかしくなりました。何を言ってほとんど反応がなくなりました。きれいなさらさらの髪はバサバサになりました。目つきは、浮いていておどおどしています。学校に来ても、だれとも話さずに、ぼやっとしています。大切な三年二学期の期末テストもほとんど、得点できず、ぼやっと遠くを見つめています。どうやら、精神が壊れてしまったようです。精神(心)が壊れたら、簡単には、もとには戻りません。A子さんは、一年からいっぱいいっぱい努力をし続けてきました。そして、最後にA子さん自身が身を守る為に志望校を豊府にしたいということをお母様が受け入れなかった為に、本当に心が壊れてしまったのではないでしょうか?

やはり、人にはみんな器があります。上野丘を目指してもいいですが、途中で、自分の器に合わないことに気づいたら、やはり、志望校は変えるべきですし、この場合、お母様がそれを理解し、優しく受けいれれば、A子さんの心は壊れなかったでしょう。

この時期、残念ながらよくある事例です。

 

OEC 個人指導塾 下垣 明

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