今の時代、中高生の部活動は学校の教員、保護者等多くの教育関係者にとって極めて重要な教育的活動として定着しているように思えます。40年前と比較するとあまりの違いに唖然とします。
部活動のメリット、私が想像できるのは、以下の点です。実は私は、高校時代は受験勉強に熱中して一切部活動はしていませんが、大学時代、さらには社会人になっても10年以上クラシックピアノの音楽サークル活動に熱中した経験があるので、その点から考えてみました。
1 好きなことに熱中できるのは、素晴らしい体験であり、学校生活を豊かにする。
2 教科以外に趣味の世界を極めるのは、人間の幅を広げる。
3 学年を超えて共通な好きなことをする人との出会いは学校生活を豊かにする。
4 部活動をする課程を通して、様々な人間関係に時にはストレスを感じることもあり、人に揉まれる経験ができる。
5 賞をもらったり、試合に勝ったりして、仲間とのチームワークの成果をかたちにすることで、仲間との絆、さらには、感動を共有できる。
私も、10年以上の大学時代、社会人サークルを通して、中高生の部活動の意義は、想像できます。学校の先生のなかには、社会に出る前に必要なことは、教科で学ぶこと以外は、全て部活動で学べると考えていらっしゃる先生もいるようです。
私は、20年近く会社等のマネージャーとして人事マネジメントに携わってきました。はっきり言えるのは、社会に出てからの人間関係に部活動は役に立つ面も否定できませんが、万能ではありません。理由は以下の通りです。
1 会社等の人間関係は部活と異なり仕事という目的で成り立っている。
2 組織の構成が年齢差も大きい他、地位による違い、雇用の種類による違い等、実社会の方が極めて複雑である。
3 権限と地位による体系がある。
要は、中高生の部活動は、好きな人が集まり、汗と涙を流して貴重な体験をする場としては貴重であると思います。しかし、あくまで、趣味であり、強制してはならないと思います。最近は、好きということとは、関係なくとにかく「部活」に入らないと変な生徒と烙印をおされてしまう雰囲気があるように思えます。
そして部活の最大のデメリットは、中学3年、高校2年、3年の時の受験勉強の時間を部活動にとられてしまうことです。この損失は、計り知れなく大きいです。生徒の本来の資質よりも部活動の為にランクの低い高校や大学に進学する可能性が大きいからです。ほとどの凡人は、ランクの高い学校に受かるには、相応の受験勉強の時間が絶対にに必要です。例えば、東大であれば、6000時間以上、九大であれば、4000時間以上等々。勿論、個々の生徒の能力により必要な時間は異なるでしょう。よく学校の先生は、部活をする人こそが一流大学に受かると言いますが、それはとんでもないまやかしです。確かにそのような天才的な生徒は、学年に1人や2人いるでしょう。しかし、そのような生徒を神格化してはいけません。
少しでもランクの高い大学に入る必要があります。何故なら、大企業の総合職、専門職に就職する場合には、厳然と学歴フイルターが存在しているからです。少しでも高いランクの大学に入らないと選択肢を狭めてしまうのは間違いない現実だからです。
完全個人指導塾 OEC 下垣 明
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