銀行の総合職女子行員と一般職女子行員の日常行動様式の違い

銀行は、今から50年くらい前には、女性の総合職は採用しませんでした。その代り、大勢の高卒の一般職を採用していました。商業高校出身の一般職の女性が多かったのですが、仕事は、緻密、正確であり、一人ひとりがプライドと情熱を持って仕事をしていたように思います。一般職ですから、転勤もなく、一つの職場に長くいる人も出てきて、職場特有の事務処理の知識を知り尽くした高い専門性を持った人材に成長した人も出てきました。40年位前から、ポツリポツリと女性の大卒の総合職も採用し始めました。この両者は、日常生活が微妙に異なるのです。例えば、昼食に行くとき、一般職の女性行員は、必ず同じ課の人と同じメンバーで固定化されています。一人で食事する人はだれもいません。ところが、総合職の女性は、固定のメンバーで食事することは、全くありません。一人で食べることも多いし、日替わりメニューのように様々な人とランチします。ランチしながら、自然に仕事の話もします。一般職の女性はほぼ、食事お時は、仕事の話はしません。総合職の女性は群れることはなく、そうかと言って決して孤立することもありませんでした。

 

新しい仕事するときに、先輩の行員から教わる場合、一般職の女性は言われた通り正確に再現するのが、得意でした。総合職の女性は、周辺知識を自分で調べ、先輩行員から教わった知識以外のことも常に試行錯誤して改善していこうとしていました。

 

一般職のかなり優秀な女性に会議の議事録を頼むと非常に、苦しそうでした。しかし、総合職の女性は、議事録の記載もすぐに対応できました。

 

さらに、金融庁や日銀との折衝等も入行5年くらいからできるようになる人も出てきました。この仕事は、一般職の女性はほとんど絶対と言えるほどしたことがありませんでした。

 

総合職の女性は勿論、採用条件が男子と一切同一なの当たり前と言えば当たり前なのですが、同じ課内で、総合職と一般職の女性の働き方の違いや日常生活の違いはくっきりと線が引かれていました。

 

どんなに優秀な一般職の女性でも、行動様式や考え方が総合職の女性とは、かなり異なっていました。マニュアルに記載されたことや上からの指示に忠実に正確に行うことは、一般職は優れていましたが、総合職の女性はあまり得意ではありませんでした。寧ろ、男子の行う営業や当局との折衝や企画立案を得意とする女性が総合職には多くいました。採用数が男子よりも少ないためか、極めて優秀な人が多かったように思えます。

 

総合職の女性は、ほぼ全員、東大、京大、一橋、早慶しかいませんでした。そして、国立か私立の中高一貫校出身の人が圧倒的に多かったです。中高校時代の教育が、自由の雰囲気の中で、自主独立の気概をもって勉強することを鍛えられてきたからかもしれません。

 

私は、地方県立の中かからも大手企業の総合職の女性を今後、もっと増やしていくべくだと思います。しかし、その為には、自由な発想、柔軟な発想、自主独立の気概を育てる学校教育の場が、あまりにも少ないような気がしています。

 

完全個人指導塾 OEC  下垣 明

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