「教科の勉強」よりも「部活」こそが、社会に出て役に立つ?

表題は、とある居酒屋さんで、親御さん同士の談笑の会話の中で印象に残ったものです。

 

これは、最大公約数的にみると正しいですが、全く別の次元からみると正しくないと思いました。

 

中学校や高校の部活の特徴は、以下の通りです。①部員同士一人ひとり顔を知っているし、人柄も知っている②同年代の子どもが構成のメインメンバー③部活顧問が全面的に権力を持っている。

 

部活動により身につく力は、以下の通りである。①顔見知りの小集団の中でいさかいを起こさずに仲良くする術 ②部活顧問に多少の不満があっても従う従順な気持ち③目標を部員全員で共有して取組むプロセスで一体感の醸成

 

従業員規模100人以下の規模の会社で将来働く場合は、部活により身につく力は、確かにそのまま応用できるケースが多いです。

 

中小企業の会社では、社長の言うことは、不本意であったり、理不尽さを感じても、絶対に従わないといけません。徹底した従順さが要求されるのです。又、長年、顔見知りの中で仲良く仕事をしていく協調性が仕事を無事進めていくうえでの要になります。

 

このように見ていくと、将来、中小企業で務める場合、部活は、教科の勉強以上に直接的に役に立つという飲み屋での保護者の発言は、説得力を持ちます。日本の会社の90%以上は、中小企業です。日本の国の安全性や秩序は、中小企業の日々の活動が大きな原動力になっています。

 

しかし、日本を代表する大企業(メガバンクや総合商社やマスコミ等等)の総合職や外資に務める場合では、大きく状況は異なります。

 

従業員は、正社員と非正規に大きく別れますが、正社員でも総合職、専門職、一般職に別れ、非正規では、契約社員、長期スタッフ、短期スタッフ等に別れます。

中小企業のようによく知っている人で職場が、構成されているのではなく、様々な立場の異なる人から構成されています。年齢も20歳から65歳まで幅広いです。

 

又、上からの指示に忠実に従うだけではなく、正社員の総合職になると明確な自分の考えや判断力を持つことが要求されます。その為には深い専門知識、批判力、オリジナリティ、が必要です。

これらは、部活の経験とはかなり異なる能力です。

 

大手企業の総合職、国家公務員総合職、研究者、法曹界等は、学校の部活動の経験が、直接的に、役に立つと考えるのはかなり難があります。

 

完全個人指導塾 OEC     下垣 明 

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